(柴﨑幹男)
はじめに、中央卸売市場について伺います。
昨日の代表質問で、市場長は、第十次卸売市場整備計画に基づいて中央卸売市場の施設の更新を図り、市場法改正など市場を取り巻く環境が変化する中にあって、市場の役割を引き続き果たしていくと、力強く答弁されました。
そして、1月23日の関係局長会議で、経営改善と経営計画策定に取り組むことになったとの説明でした。
今取り組むべきは、小池知事による豊洲移転延期で大きく傷ついた東京の卸売市場に活気を取り戻させるための、各市場の活性化です。
特に、移転延期のあおりを受けて施設整備が大幅に遅れた豊洲以外の市場への対応を急ぐ必要があります。
移転延期騒動の2年のブランクを取り戻すための、今後の取組について伺います。
また、第十次卸売市場整備計画は、東京都卸売市場審議会を経て決定いたします。この整備計画は、どのような手続きで策定されたのか、併せて伺います。
次に、特別区消防団の活動体制の強化について伺います。消防団は、日頃から防災面での十分な訓練と経験からそれぞれの地域でリーダーシップをとり、地域住民に対する訓練指導、防災知識の普及啓発に取り組まれることを期待されています。東京2020大会を前に開催都市の消防団として、大会の成功に向けて、大会開催中はもとより、開催都市として安全・安心な都市東京を世界にPRすることが求められております。そのためには、今から災害の未然防止と災害発生時における人的・物的被害を最小限にとどめるための消防署員と連携した活動が求められています。特に、東京2020大会は、特別区内を中心に複数の競技会場で広範囲に猛暑の中、実施されます。そのため、国内外から多数の来場者を、熱中症などをはじめとする各種災害から守り、かつ災害発生時には被害を最小限にとどめることが消防団に求められております。そこで、東京2020大会開催を契機として、今こそ特別区消防団の消防団活動体制の充実を図るべきと考えます。
東京消防庁の取り組みについて伺います。
次に、教育について伺います。
都立中高一貫教育校では、六年間のゆとりある学校生活を生かした特色ある教育が展開されており、中学校段階での受験倍率は5倍から6倍と高く、都民の評価や期待の高さがうかがえます。私の地元練馬区にも大泉高校・附属中学校がありますが、地域からも高い評価をされているようです。一方で、高校からの入学もある併設型中高一貫教育校では、高校の入学は、受験倍率が、1倍を下回る学校も出てきていると仄聞しています。
こうした中、教育委員会は、先般公表した「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」において、併設型の高校募集を停止し、中学校募集の規模を拡大する事を計画しました。地元からは、高校募集がなくなることを惜しむ声もありますが、他方では、中高一貫教育の更なる充実に期待がかかるところです。
そこで、今回の計画を単なる併設型の高校募集の停止に止めるのではなく、併設型を含めた都立中高一貫教育校全体の更なる充実に繋げて行くべきと考えます。
教育委員会の見解を伺います。
次に、西武新宿線の鉄道立体化について伺います。西武新宿線は、都内の鉄道の中でもあかずの踏切が数多く残されている路線であります。練馬区内だけでも十三箇所の踏切があり、交通渋滞の発生や踏切事故の危険性、沿線地域のまちづくりの遅れなどさまざまな問題が生じています。こうしたことを解決するためにも「連続立体交差事業」による鉄道の立体化が必要であります。今月、東京都により西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差化計画の都市計画素案説明会が開催されました。そこで、伺います。
西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の鉄道立体化の取り組みはどのような状況なのか、説明を求めます。
次に、この鉄道立体化区間と交差する外環の2について伺います。地域住民の悲願である西武新宿線の連続立体交差事業がいよいよ動き出そうとしております。上石神井駅周辺では、都が昨年の十二月に駅付近の南北道路である外環の2の整備に着手しました。平成二十年に地元区が策定した「上石神井駅周辺地区まちづくり構想」では、外環の2を「地区を支える主要な骨格」として位置づけております。私もかねがね、このことについては都議会の場で質問をしてまいりました。地域の皆様は、外環の2の整備が上石神井駅周辺地区のまちづくりに大きく寄与するものと期待しています。そこで、この地区のまちづくりが大きく動き出そうとしている中、都はどのように上石神井駅周辺の外環の2の整備に取り組んでいくのか。都の見解を伺います。
次に、児童相談体制について伺います。
昨年三月に目黒区で起きた虐待死亡事案や先月野田市で起きた事案など、児童相談所体制の連携強化は、昨日の我が会派の代表質問で指摘したとおり、子供の命に直結する重要な問題であります。現在、特別区では児童相談所の設置に向けた動きがありますが、児童相談所を設置すれば、これらの問題を解決できるわけではありません。
実務的な検討が不足したただ身近な行政という理由で区設置を進めていることには疑問が生じるところであります。児童相談所の業務は、子供を虐待する親から引き離し、区市町村の区域を越えて保護するなど、そもそも広域自治体が担うべき性質を有しております。また、専門的な立場から判定し、処遇し、一人ひとりの子供の福祉を確保することが責務であります。
こうした児童相談所の広域的・専門的機能を基礎自治体である個々の特別区が担うことができるのか、慎重に検討を重ねる必要があったのではないでしょうか。
各区の役割は、都の児童相談所と連携しながら、住民に身近な相談機関として、地域に寄り添った児童相談体制を強化していくことにあると考えます。
現在、世田谷区、荒川区、江戸川区の3区が2020年度に児童相談所の設置を計画されていると仄聞いたしております。特別区に設置することが法的に可能なことはもちろん承知しています。しかし、都が、この3区の設置を当然のこととして受け止め、それを前提として対応策を検討するという姿勢に対しては疑問が生じるところであります。
本来であれば、試行期間を設け、都が3区の試行状況を十分に検証し、本格実施に踏み切るかどうか検討すべきであったはずであります。
先ほど申し上げましたとおり、基礎自治体である特別区が児童相談所の広域的対応をどのように機能させるかは大きな課題であると考えます。
都としての見解を伺います。
次に、東京2020大会の開催に関連して伺います。
第一に、本大会を文化の祭典として成功させるための取り組みについてです。
東京2020大会は、世界から注目が集まり、昨年の訪日外国人は3000万人を超えるなど、今後ますます多くの方々が東京を訪れるわけであります。そこで、日本の歴史や伝統文化に高い関心を示す外国人など多くの方々に日本の文化をさまざまな場面で発信すべきであります。その為には、日本の伝統文化に携わっている各種文化団体との連携を図りながら、具体的な対応を早急に推進すべきであります。多くの大会来場者をはじめ、選手や大会関係者に対しても日本の伝統文化を始めとした、東京の文化的な魅力を発信すべきであります。都の考えを伺います。
第二に、都市農業を活用した観光事業についてであります。
東京2020大会における東京農業の魅力を発信する絶好の機会となります。東京農業においては、新鮮で安全な農産物の生産のみならず、都市の身近な場所で農業体験ができるメリットを生かした体験農園の開設や、農産物を利用したイベントの実施など、都市農地を活用した魅力的な取り組みが行われています。私の地元練馬区でも「練馬果樹あるファーム」として、季節の味覚を楽しめる多様な果実の直売や摘み取り等による販売を行う観光農園等の取り組みが進んできています。
今後、こうした観光の視点を持った取り組みを支援すると共に、広く発信することで東京農業を振興していくことが重要と考えます。
都の見解を伺います。