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斉藤国交大臣に外環議連を代表して要望書提出

2023-11-09

 

令和5年度公営企業委員会 事務事業質疑 交通局関係

 

<地下鉄>

・地下鉄事業について伺う。

・都営地下鉄の一日当たり乗車人員は、2019年度には約283万人であったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により2020年度には3割程度の減となる約192万人まで大きく落ち込んだ。交通局経営計画2022においては、テレワークの進展等コロナ後の行動変容により、定期利用を中心にコロナ禍前には戻らず、15%前後の減少が続くと見込んでいる。そこで、
問1 都営地下鉄の乗車人員について、直近の決算までの推移を伺う。

 

(答弁骨子)

〇都営地下鉄の乗車人員は、令和元年度と比較して、令和2年度に約32%の減少と大きく落ち込んだが、その後徐々に回復し、令和4年度は、約21%の減少

〇定期、定期外の別で令和元年度との比較では、定期は令和2年度に約27%減少し、令和4年度においても約25%の減少。一方、定期外は、令和2年度に約40%減少したものの、令和4年度には、約14%の減少まで回復

・お客様の行動変容に伴い、都営地下鉄では定期利用者の減少が続いているが、定期外の利用者は回復しているということがわかった。

・先日の有識者会議の資料においても、定期利用者は本年7月時点で令和元年同月比

20%以上の減に留まっているものの、定期外の利用者は6%減まで回復しているとのことであった。

・一方、コロナが5類に移行した現在においても、地下鉄の利用者はコロナ禍前には戻っておらず、厳しい状況が続いている。

・こういった現状を踏まえると、利用者をさらに増やしていくためには、定期外の利用者拡大を図る必要がある。そこで、
問2 コロナ禍を受けて、定期外の利用者拡大に向け、新たな需要創出にどのように取り組んでいるのか伺う。

 

(答弁骨子)

〇都営地下鉄では、コロナ禍後を見据えた定期外利用の拡大に向け、東京メトロと連携し、旅行者向けの企画乗車券、Tokyo Subway Ticketと観光施設の入場券等を自由に組み合わせてオンラインで購入できるサービスを昨年度から導入

〇水上タクシーや観光バスの事業者などと連携し、都営交通アプリを通じてそれらの利用予約が可能となるサービスも開始

〇今後も、様々な主体と連携し、企画乗車券の販路拡大など様々な工夫を凝らしながら、定期外需要の創出に向け取り組む

・コロナ禍後を見据え、定期外の利用者拡大に向け、工夫を凝らした取組を行っていることを評価する。

・引き続き、様々な主体と連携を図り、旅客需要の創出に努めていただきたい。

・今、聞いてきた答弁などの取組を着実に進めたことによって、今年度は、地下鉄事業で7億4千万の黒字予算となっている。経営安定に向け引き続き取り組んでほしい。

・一方で、交通局全体で見てみると、今年度も引き続き赤字予算となっており、電力代を始めとした物価高騰など経営に与える様々な影響も受け、厳しい経営環境が続くものと感がられる。そこで

問2-2 交通局は持続可能な経営基盤の確立に向け、経営改善に向けたより一層の取組が必要と考えるが、局長の見解を伺う。

 

(答弁骨子)

〇交通局を取り巻く事業環境は今後も厳しい状況が続くと見込まれるが、公営交通事業者として、将来にわたり東京の都市活動や都民生活を支え続けなければならないと思料

〇こうした考えの下、創意工夫を凝らし、多様な主体と連携しながら需要の創出や関連事業の強化、デジタル技術の活用による業務の効率化など、収入・支出両面から経営改善を実施

〇また、昨年度、有識者会議を立ち上げ、幅広い見地から更なる経営改善に向けた方策を検討

〇今後、有識者の意見も踏まえながら経営努力を不断に積み重ね、中長期的に持続可能な事業運営を行うための経営基盤を確立

・毎日、多くの都民が毎日利用する都営交通が果たす役割は大きい。

・改めて局長からも、経営改善に向けた力強い言葉をいただいた。ぜひ、交通局全体として経営改善への取組を推し進めていただきたい。

 

<安全対策>

・安全対策について伺う。

・昨今、気候変動の影響により、自然災害は激甚化しており、被害への備え、対応力の向上が求められている。

・また、施設や設備の故障やヒューマンエラーが原因と考えられる事故やトラブルの発生を未然に防ぐためには、不断の取組が求められる。

・ハインリッヒの法則では、1つの重大事故の裏には29の軽微な事故と300件のヒヤリハットがあると言われているが、乗客の安全・安心の確保に向けては、重大事故が起きないよう、経営トップから現場までが一体となった日々の地道な取組が重要であることは言うまでもない。そこで、

問3 安全管理の持続的な向上に向けた、交通局における取組について伺う。

 

(答弁骨子)

〇交通局では、国の運輸安全マネジメント制度に基づき「安全方針」を定めるとともに、その具体的な取組計画である「安全重点施策」を毎年度策定し、各部門が年間を通して具体的な施策に取組〇推進体制として、局長をトップとする安全対策推進委員会を設置し、これらの取組状況をチェックしつつ継続的に改善する、いわゆるPDCAサイクルを適切に機能させるほか、事故や故障、ヒヤリハット情報を局横断的に共有し連絡調整を行うことなどにより、安全管理の持続的な向上を図っている
・局として持続的な安全管理の取組により、安全意識の浸透を図り、事故やトラブルを防止するとともに、局が一丸となって、安全を最優先とする組織づくりに取り組んでいることが確認できた。・引き続き、安全管理を持続的に向上させ、災害に強く事故のない都営交通の実現を目指していただきたい。
・昨日11月6日には、大江戸線の練馬駅周辺で、国・都・区の共同で、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練が実施された。・訓練では、住民等の練馬駅の地下駅舎への避難も実施されたが、都が指定する「緊急一時避難施設」を活用した初めての訓練となった。・万一に備え、住民の皆さんが正しい避難行動をとれるよう、屋内や屋外それぞれの状況に応じた行動を実際に経験していただくことを目的とした訓練であり、住民などがとるべき対応や行動の普及・啓発を図るとともに、関係機関が対処能力を向上させるため、このような訓練の実施に向けて交通局も積極的に協力し、参加していることを高く評価する。そこで、

問4 交通局における緊急一時避難施設の指定の状況と今後の対応について伺う。

 

(答弁骨子)

〇東京都では、国民保護法の規定に基づき、既存のコンクリート造り等の堅牢な建築物のほか、地下街、地下駅舎などの地下施設について、緊急一時避難施設として指定

〇都営地下鉄では、昨年5月に55駅、9月に2駅、本年8月に1駅の計58駅が指定を受けており、住民避難訓練も含め、引き続き、総務局や地元自治体等と連携して対応

・緊急一時避難施設の指定拡大や、施設を活用した訓練の実施については、ミサイル攻撃等の脅威に対して住民の安全を確保するため、わが会派としても意義が大きいものと考えている。交通局においても、引き続き、関係機関と連携して適切に対応願いたい。

・また、有事の際の対応だけでなく、様々な異常事態にも備えることも求められる。

・地下鉄の運行に影響を与える要因としては、自然災害や事故などが想定されるが、日頃より、各現場において訓練を積み重ねることが重要である。
問5 訓練に当たっては、様々な事態を想定して実施することが有効と考えるが、交通局における取組について伺う。

 

(答弁骨子)

〇交通局では、地震や浸水、テロ等の異常事態を想定し、毎年、駅、運転、保守の各部門が合同で行う総合訓練を実施するとともに、職場単位での訓練を積み重ね

〇大規模地震を想定した異常時総合訓練では、都営交通モニターも参加した脱線車両からの避難誘導訓練のほか、施設の復旧訓練を実施し、部門間の連携の重要性を再確認

〇さらに、大規模水害を想定した車両避難訓練などのほか、昨年は、電力ひっ迫を踏まえ、広域停電を想定し、電力貯蔵装置による列車を走行させる訓練、また、先月は近年の刺傷事件を踏まえ、走行する車両を用いて警察など関係機関と連携したテロ対応訓練などを実施

〇今後も、多様な場面を想定した、より実践的な訓練を積み重ねて、職員の対応力の向上を図っていく

・安全対策について、様々な異常事態に備え、実践的な訓練に取り組んでいることが確認できた。

・また、先日の異常時総合訓練で、従前は訓練を見学するのみであった「都営交通モニター」の方々が、今回は避難誘導訓練に乗客役として参加したとのこと。

・局職員による避難誘導を体験していただくことは、安全・安心な都営交通をお客様に体感していただく貴重な機会であり、とても大切な取組である。

・訓練の内容について、改善を重ねながら取り組んでいることを評価し、次の質問に移る。

 

<大江戸線延伸>

・大江戸線延伸について伺う。

・練馬区北西部の鉄道空白地域にお住まいの方にとって、大江戸線の延伸は切実な願いである。

・私も、以前から地域の方々と大江戸線延伸促進期成同盟による要望を実施するなど、様々な機会を捉え、延伸の早期実現を強く求めてきた。

・交通局では、この間、大江戸線延伸による旅客需要の調査等を行っており、今年度も調査経費を主要事業として計上していると聞いている。
問6 大江戸線延伸に関する令和5年度のこれまでの取組状況について伺う。

 

(答弁骨子)

〇大江戸線延伸の事業化に当たっては、将来的な旅客需要の見通しや事業の収支採算性の確保等について十分に見定める必要があり、これまでも練馬区など関係機関と連携しながら、調査・検討を実施

〇今年度は、新型コロナウイルス感染症の5類移行後の状況も踏まえ、延伸による将来の旅客需要のほか、収支採算性について調査

〇本年3月に立ち上げた庁内検討プロジェクトチームを5月と9月に開催し、課題の明確化に向けて、調査・検討の内容について議論

・交通局では、これまでも、旅客需要の調査を受け、延伸に必要な設備や施設等について検討を進めてきたものと理解している。

・新型コロナウイルスの5類移行後の状況など最新の知見を取り入れ、調査・検討を深度化していただきたい。最後に、
問7 大江戸線延伸の早期実現に向けた今後の取組について伺う。

 

(答弁骨子)

〇庁内検討プロジェクトチームにおいて、今年度の調査を踏まえ、将来の旅客需要や収支採算性を検証し、事業化に当たっての課題を明確にした後、その解決の方向性などについて検討

〇引き続き、関係局や沿線まちづくりを担う練馬区と一層の連携を図り、課題解決に向けて取り組む

・大江戸線延伸に当たり、解決すべき様々な課題があることは理解している。

・まちづくりの担い手である練馬区ともしっかりと手を携えながら、延伸に向けた検討を鋭意進めていただき、一日も早い大江戸線延伸を強く願う。


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