定例会一般質問(平成30年3月2日)
Q1
都市の中で営まれる農業の価値をようやく多くの人々が認め、平成二十七年四月に都市農業振興基本法が制定されました。さらに、農地は、都市緑地法で都市緑地として位置づけられ、今後は貸し借りが円滑にできる制度改善が行われる見込みで、都市農業に明るさが見えてきました。
このような状況で、練馬区は、都市農業の一層の発展のため、世界の都市と連携し、来年秋には世界都市農業サミットを開催する予定であります。また、若い農業者が、地元の飲食店などと連携して、積極的に練馬の都市農業を発信しようと取り組んでおります。
これらの農業者は、畑を耕し、作物をつくることにより、都市の貴重な緑地を保全しつつ、六次産業化によって農産物の付加価値を高めたり、新たな技術の導入により、農産物の収穫量の増加を図るなど、さまざまな取り組みに挑戦しようとする意識も高まってきております。
こうした意欲ある農業者の取り組みに対する支援を充実させていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
A1
意欲ある農業者への支援の充実についてでございますが、六次産業化や新技術の導入、経営規模の拡大など、農業者の新たな取り組みを支援していくことは、収益力の向上とともに都市農業の活性化を図る上からも重要でございます。
このため、都は、ブランド化や加工品開発の取り組み等に対し、専門家派遣による助言や加工施設等の整備支援を実施しております。
今後は、収益力の一層の向上を図るため、ICTの活用により高品質化と増産を実現する栽培システムを農家で試行することに加え、遠隔操作技術の開発による機能向上を図り、普及を進めてまいります。
また、都市農地の貸借制度の導入を見据え、農地のあっせん業務を拡充するなど、規模の拡大を図る農業者を支援してまいります。
こうした取り組みを通じて意欲ある農業者を後押しし、魅力ある東京農業を実現してまいります。
Q2
世界の農業は、生産の安全性や環境への影響、労働安全性の確保による農業の持続性に向けたGAPへの取り組みが主流になっています。GAP認証の取得については、海外に比べ農業経営の規模が小さい東京では、取得の際の手続や費用面の負担が大きいと農業者の耳に入っているため、取得がまだまだ進んでいないのが実情であります。
こうした中、都が、都市農業の特徴を加味した東京都GAP認証制度を来年度から開始すると仄聞いたしております。より多くの都内農業者にこの認証の取得に取り組んでもらえるよう、東京都がしっかりと後押しすることが重要と考えます。
そこで都は、来年度から開始する東京都GAP認証の取得を促進するため、どのように取り組むのか伺います。
A2
都は、JA等と連携して、東京都GAP認証の取得意義やメリット、都の支援策等に関する説明会を都内各地で開催し、農業者に制度の普及を図ってまいります。
また、日ごろから農業者の技術指導を行っております東京都の職員にGAP指導員の資格を取得させまして、農業者の申請から認証まできめ細かく支援をいたします。加えて、現地調査や認証審査を都が実施し、審査期間を短縮するとともに、費用を無償とするなど、認証取得に関する負担を軽減してまいります。
こうした取り組みにより、農業者の東京都GAP認証の取得を着実に進め、持続可能な東京農業を実現してまいります。
定例会一般質問(令和2年9月30日)
Q
練馬区においては、今から三十年ほど前から、消費者である近所の方々に農地の大切さと新鮮な野菜のおいしさを知っていただこうと、庭先販売に本格的に取り組み出しました。今では、区内農家の半数以上が取り組み、二百六十カ所以上となっております。
こうした成功した事例も踏まえながら、都は今年度、新型コロナウイルス感染症対策として、農業者の新たな販路の開拓や販売用の設備の導入に対する支援を実施しております。地域によっては、販売先の確保に加えて、加工品の販売など六次産業化に取り組みたいとの声も聞かれるようになりました。
都は、こうした農業者のニーズに対応できるよう支援を充実していくべきと考えますが、見解を伺います。
A
農産物の新たな販路の開拓についてですが、新型コロナウイルス感染症により消費動向等が変化する中、農業者の収益を確保し、都市農業を守るためには、新たな販路を開拓するなど、販売力を高めていくことが重要でございます。
このため、都は、緊急対策の事業として、Eコマース等への出店に加え、非接触で農産物が販売できる自動販売機や鮮度保持のための保冷庫の購入など、新たな販売方法の展開を支援しているところでございます。
今後は、付加価値の高い加工品の開発や製造のための設備導入などの取り組みにより、農業者が多様な販路を確保し、一層の経営安定化を図ることができるよう支援を検討してまいります。
東京23区の農地の4割が練馬区にあります
大都市にありながら、
豊富な生産量を誇る練馬の農業
区内に広がる、区民農園や体験農場、観光農園
都市の生活と農業が
都市の住民と農家の皆さんが
これらが融合し一体となったまちの姿は
東京都が誇る都市農業の新しい姿だと確信します
これまでの農産物の供給機能に加え
農地と防災機能の融合
農業と福祉機能の融合など
都民の日々の暮らしと融合した練馬の農業は
都市の農業の
これからの新しい可能性を示しています
図表等は、練馬区発行の「ねりまの農業」より転載