令和元年度公決(全局質疑) 骨子
○さて、水道事業において、最も重要な使命は安定給水の確保です。
○そして、水道局と政策連携団体が安定給水の実現に向けて、日々の業務をしっかりと行うことが一番大切なことは言うまでもありません。
○一昨年来、水道局では局職員による情報漏えい、所管団体の東京水道サービス株式会社では特別監察によって書類の改ざんが露呈いたしました。このように、事件が立て続けに明らかとなり、これまでに幾度となく、原因究明や再発防止策、コンプライアンスの確保や強化について、貴重な時間を割いて議論をしてきたところであります。
○コンプライアンスは、確かに必要なことではありますけれども、そもそも遵守されるのが当たり前の話であって、本来は都議会の場で何度も議論されるような話ではないはずです。
○こうした観点から今一度、質問をさせていただきます。
○知事は、昨年の3月29日の記者会見において、事件への対応や東京水道サービス株式会社と株式会社PUCとの統合など、様々な課題に対して水道改革が必要であり、その水道改革を強力に推進し、新しい水道を作っていくために、これまでと違う流れの人材、すなわち、水道事業とは縁も所縁もない、それまで特別秘書であった野田数氏を、突然、東京水道サービス株式会社の代表取締社長に推薦いたしました。
○水道改革を進める上で、東京水道サービス株式会社の社長になぜ野田数氏を推薦することが適任なのかは、我が会派といたしましても今でも十分な説明はなされていないと考えています。
Q1 そこで、小池知事の推薦により、東京水道サービス株式会社の代表取締役社長に就任した野田数氏の社長としての実績について伺う。
○今の答弁によりますと、あたかも代表取締役社長としての職責を全うしていて、水道改革に邁進しているかのように聞こえました。
○また、これまでの議会の議論の中においては、都民ファーストの会としては野田氏の実績を高く評価しておりました。
○その野田氏ですが、団体を統合した後の東京水道株式会社においても、代表取締役社長の座に就いています。こうして統合した同社が新たなスタートを切った矢先に、またしても、同社において道路占用許可申請手続に係る不適正処理事案が発生しました。
○この事案では、野田氏が東京水道サービス株式会社の代表取締役社長であった時期において、事故者が道路占用許可申請に係る虚偽の報告を、水道局や社内に対して行っていたことも明らかになっています。
○こんなことで、本当に代表取締役社長としての職責を果たしていると言えるのでしょうか。
○これまで、我が党は、事件が繰り返し起こる原因として、競争するものがなく、経営に不都合が生じることがない東京水道グループとしての負の側面があります。こうした点がコンプライアンスに対する意識の希薄さを生んでいると指摘し、再発防止の徹底を求めてきました。
○しかし、今回再び事件が発生したことからも、これまで取り組んできた再発防止策の実効性には、疑問を感じざるを得ません。
○一体、知事の言う水道改革とは、何なのでしょうか。
○それは、新しい水道を作るという聞こえのよいフレーズでしかなく、事件を繰り返している現状からは、その改革の成果といったものが全く見えてこないわけであります。
○こうした現状は甚だ遺憾であります。
Q2 野田氏を事実上任命して進めてきた水道改革について、知事の見解を伺います。
・また、持続可能な東京水道の実現に向けて、同社と株式会社PUCとの統合をはじめ、水道改革を推進する必要があることから、新たな観点から改革に取り組む行動力のある野田数氏を同社の社長に推薦
・同氏は、同社の先頭に立って、抜本的な改善を着実に実施するとともに、株式会社PUCとの統合により、水道業務を包括的に担うことができる体制を構築するなど、東京水道グループが一体となって取り組まなければならない水道改革を牽引してきたものと認識
・水道改革は、道半ばであり、持続可能な東京水道の実現に向けて、同氏には、引き続き、改革の牽引役を果たしていくことを期待
○まさに、水道事業は、都民生活と都市活動を支える基幹ライフラインであり、首都東京の安定給水を支えるために、職員・社員一人一人が強い使命感と高いコンプライアンス意識を持つのは当然のことです。
○その上で、自らの職務を不断に見直し、東京水道グループ全体として、不正の芽を摘む組織体制を早急に確立すべきです。
○我が党は、グループを率いる立場である水道局がこれまで以上に強い危機感を持って、コンプライアンス強化に取り組み、都民の信頼を回復していくことを改めて強く求めて参ります。そして、東京水道グループが本当に生まれ変わることができるのか、引き続き厳しく注視していきます。
このことを申し上げまして、公営企業会計決算特別委員会の自民党の全局質疑を終了と致します。