都議会自民党 柴﨑幹男の委員会質疑 環境・建設委員会(抜粋)
Q1 令和4年の5月、小池知事が記者会見で唐突に、太陽光パネルの義務化を発表した際、義務化の内容を正確に理解していない方もあったようですが、総じて、なぜ、税金を投入して、そこまでやらなければならないのか、こうした異論が噴出したのはご案内の通りです。こうした都民の疑問は解消されたと考えているのか、まず、伺います。
Q2 今回の義務化に関する条例改正に関する疑問の第1点は、既に、東京都は様々な補助制度を実施しており、パネル設置を希望する方が、パネル設置を進めていくための条件整備は一定程度進んでいます。この補助制度による事業の推移を見定めた上で、義務化の必要性を判断すべきではないか、ということです。見解を伺います。
Q3 第2点目は、義務化まで2年以上の期間があることです。当然、その間には、太陽光パネルの技術革新、リサイクル体制の進捗、都内の不動産業界の動き、そして、人権問題を巡る状況変化など、様々な変動要因が想定されます。
それらの動きを見定めてから、義務化を含め、事業をどのように進めていくべきか、判断すればいいのではないでしょうか。2年先の事業開始を、今定例会で決めてしまおうとする理由をお聞かせください。
Q4 ここで、具体例を挙げてお伺いいたします。太陽光パネルを設置した住宅の竣工後、すべてが雨漏りするわけではありませんが、雨漏りが発覚するケースがあると聞いている。特に穴をあけてパネルを設置するタイプですと、屋根業者からの声は、雨漏りの危険性があるとのことです。こうした雨漏りが生じないような設置工法を2年かけて確立させていくべきと考えるが、都の見解は。
Q5 また、太陽光パネルは、1kw当たり50~60キロとかなりの重量があるわけです。住宅に太陽光を載せる際に住宅の耐久性、耐震性に対する不安の声がある。新築の場合も既存の場合もパネル設置に向けては十分な対応が必要と考える。都としてはどのような取り組みを進めているのか。
Q6 更に、既存住宅にパネルを設置する場合、パネルの寿命がおよそ30年程度とある中で、パネルの稼働期間中に簗の吹き替えが必要となります。したがって、太陽光パネルを1度取り外す必要が生じ、費用も手間もかかってしまいます。都はどのように考えていますか。
Q7 条例案では、通常、具体の内容は規則に委ねることになっています。条例で方針を定め、それに基づいて、具体的な内容を検討し規則を定めて行くという一般的な流れは理解できます。
しかし、今回の条例改正の場合、11月に発表されたカーボンハーフ実現に向けた条例制定・制度改正についての中で、既に、条例改正案とそれに伴う支援策の概要が示されています。
実態としては、条例提案もないまま、中の議論が先行し、知事もカイロ大学で発言までしています。
ところが、都議会としてこの課題の詳細を議論するのはこの委員会の1日だけです。2年も先の事業です。しかも、事業全体を見据えた総経費や費用対効果そして事業の実施期間などが具体的に示されていません。
事業の重要性を考えると、令和5年の第1回定例会で、予算面も含め、本会議、予算特別委員会の中で、義務化条例の必要性、事業規模の妥当性・合理性を丁寧に議論すべきと考えるのですが、見解を伺います。
Q8 かつて、築地市場跡地を市場会計から一般会計に移す予算、5,423億円が補正予算として急きょ提案され、予算特別委員会で質疑することなく、決定されてしまったことがありました。知事は、今回の条例案についても、同様の対応をしているように見えてしまいます。
事業の本格実施まで2年以上あるのですから、前回の時のように、予算特別委員会での審議を避けることなく、事業概要を具体的に明らかにし、条例の必要性をしっかりと議論すべきと考えます。改めて見解を伺います
次に、補正予算に関連して伺います。
Q9 知事は、所信表明の中で、あらゆる可能性に視野を広げ、「来年度予算を待つことなく」、本定例会に提案している補正予算案にも必要な経費を盛り込んだと発言しています。
都民の方々の理解の進み具合、事業者の対応など、本事業を取り巻く現状を勘案すれば、そこまでの緊急性があるとは思えません。このことは本会議でも指摘させていただきました。
補正予算とすることで、議会審議が、委員会審議1日だけになってしまいます。補正予算ではなく、来年度予算案とすることで、丁寧に議論すべきではないのでしょうか。義務化の本格化実施は令和7年です。補正予算をあわてて計上することなく、令和5年3月の予算審議を待つことができないのか、見解を伺います。
Q10 条例案と補正予算は不可分のもので、今定例会で同時に決定すべきである。
このようなご説明ですが、提案されている補正予算案がパネル義務化の関連予算であるとすると、事業全体の本予算と言いますか、全体の事業規模、費用対効果が分からないまま、補正予算を先行して予算化するということになってしまいます。
義務化の全体像が見えない中での見切り発車のようなもので、予算措置のあり方として問題があると思うのですが、見解を伺います。
Q11 東京都の補正予算に関する説明資料では、確かに、環境確保条例の改正に伴う支援策と記載されています。しかし、条例は可決されても、義務化の施行は令和7年、エリアマネジメントに関する条例も施行は令和6年です。つまり、仮に条例改正が可決しても、改正条例は施行されていません。
この補正予算は、あくまでも現行条例の下での予算措置ではないのでしょうか。見解を伺います。
Q12 ご説明を伺っても、今回の条例改正と補正予算との関係は判然としません。
条例が可決しても施行は2年後、つまり、仮に可決しても2年間は効力が発生しないのです。なのに、条例と補正予算が不可分といいますか、リンクしていると言えるのでしょうか。準備を進めたいという考え方は理解した上でお聞きしています。この補正予算は、あくまで現行条例の下で補助事業を推進するための事業者支援に要する経費ではないのでしょうか。お考えをお聞かせください。
太陽光パネル設備の導入量に占めるパネル義務化の割合と、義務化の取組が都のCO2削減に果たす役割についてお尋ねします
Q13 まず、東京都が計画している太陽光パネルの規格ですが、知事は、記者会見で再三再四、4 kwのパネルを設置すれば、4人家族世帯の電気代はほぼほぼ無料になるとPRしていました。
ところが、条例案を提案する際の資料では、2 kwとなっています。半分になっています。都の考え方は何時、何故変わったのでしょうか、伺います。
Q14 では、この2kw規格のパネルを義務化した場合、年間で、どの程度の電力削減効果があるのかご説明ください。
Q15 義務化による削減効果は年間4万kwということですが、義務化開始は、提案されている条例案では令和7年となっています。都が目標として定めている、2030年、令和
12年までの6年間では、単純計算すると、24万kw(4万kw×6年)になります。
では、2030年の都内太陽光発電設備の導入量全体の目標値と、義務化分、その他新築分など新築住宅全体に関わる導入量をお教えください。
Q16 新築住宅等の導入量が75万kwとしますと、義務化分24万kwは、新築住宅分の32%程度ということになります。では、残りの51万kwはどのように賄うのでしょうか。
Q17 次に、全体で200万kwとなっている導入量の内訳をお聞かせください。
Q18 その中から、住宅に係る分だけを抜き出すとどうなっているのか伺います。
Q19 新築、既存を含め、住宅分だけを抜き出すと 100万kwということは分かりました。
それでは、視点を変えて、その100万kwをCO2の削減量という観点でみた場合、どのような効果があると見込んでいるのか伺います。併せて、2030年、令和12年までのCO2削減の全体の目標値も伺います。
Q20 では、その43万トンの削減量のうち、今回の義務化による削減効果はどの程度なのか伺います。