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令和3年9月24日の都市整備委員会の質疑において
西武新宿線(井荻駅~西武柳沢駅間)連続立体交差化計画について

2021-09-26

Q1
・都内には、未だ多くの踏切が残されている。
・私の地元練馬区では、西武池袋線の連続立体交差化が進んでいるのに対し、西武新宿線では連続立体交差化が進んでおらず、13箇所の踏切が残されている。
・踏切の存在は、交通渋滞や事故の原因になるなど、都民生活や経済活動に大きな影響を与えているほか、地震などの災害時には、救急活動の妨げになるおそれもある。
・こうした踏切による課題を抜本的に解決するためには、連続立体交差事業による鉄道の立体化が重要である。
・そこで、鉄道立体化の構造形式には、高架方式と地下方式があるが、都がこれまで実施してきた連続立体交差事業について、高架方式と地下方式の実績について伺う。

A1
○事業中を含めてこれまでに45か所で事業を実施してきており、395か所の踏切を除却
○45事業のうち、高架方式が36事業、地下方式が9事業

Q2
・これまでの実績では、高架方式が圧倒的に多いことがわかった。
・鉄道立体化の構造形式については、それぞれの地域の状況などを踏まえて適正に選定されているものと考える。
・そこで、鉄道立体化の構造形式は、どのように決定するのか、確認も含めて伺う。

A2
○構造形式については、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件、これら3つの条件から総合的に判断して選定

Q3
・地形的条件、計画的条件、事業的条件の3つの条件から総合的に判断して構造形式を選定していることが確認できた。
・これまでの連続立体交差事業の実績では、その多くが高架方式であるが、地下方式もわずかながら実施されている。
・例えば、同じ西武新宿線の中野区内の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業は、地下方式により事業が進められているが、鉄道立体化の構造形式を地下方式とした理由について伺う。

A3
○西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差化の構造形式について、3つの条件のうち、地形的条件と計画的条件は、高架方式、地下方式ともほぼ同等
○事業的条件である事業費についても、一般的には地下方式は高架方式に比べ高額となるが、地形上の制約から、高架方式は地下方式より事業延長が長くなるため、ほぼ同等となる
○それぞれの評価がほぼ同等であったため、都市計画として新たに定める面積を比較し、拡幅する面積が小さい地下方式を選定

Q4
・中井駅から野方駅間については、地形上の制約から3つの条件がほぼ同等となり、都市計画として新たに定める面積の小さい地下方式を選定したことがわかった。
・そこで次に、今回の井荻駅から西武柳沢駅間の鉄道立体化の構造形式の選定理由について伺う。

A4
○井荻駅から西武柳沢駅間についても、地形的条件、計画的条件、事業的条件、これら3つの条件から総合的に判断して選定
○地形的条件では、高架方式、地下方式とも大きな差はない
○計画的条件では、高架方式は、1か所の道路で高さ制限がかかるが19か所の踏切を除却できるのに対し、地下方式では、同じく19か所の踏切が除却できるものの、現在通行している1か所の道路が通行できなくなる
○事業的条件では、高架方式の事業費が約1,710億円で事業期間が15年、地下方式の事業費が約2,470億円で事業期間が16年
○これらを勘案し、高架方式が最適であると判断

Q5
・高架方式の方が、計画的条件や事業的条件で地下方式より有利であると判断したことが確認できた。
・一方、本区間における連続立体交差化の特徴として、上石神井駅付近に車庫があり、本線と合わせて車庫を立体化する計画となっていることがある。
・その際、立体化する車庫の範囲が現在の鉄道用地に収まらなくなり、新たに用地取得が必要になるとのことである。
・これに対し、地域の方からは、なぜ車庫のために新たな用地取得が必要なのかという声も上がっている。
・そこで、上石神井駅付近の車庫の立体化の考え方について伺う。

A5
○上石神井車両基地は、区間内の上井草駅から上石神井駅までの間に位置する西武新宿線で最も都心側にある車庫であり、上石神井駅の始発電車及び終電車への対応や緊急時の対応など、車両運用上重要な拠点となっており、他の場所への車庫の移転は困難
○本線を立体化するためには、地平にある車庫から立体化される上石神井駅までを接続する線路が新たに必要となり、現況の車庫の位置には取り付けることはできない
○このため、車庫を本線と合わせて立体化する必要がある
○車庫を立体化する際の配線計画においては、安全運行に資する西武鉄道の現在の技術基準に適合した計画とすることや、上石神井駅の位置を大きく変えないことなどが必要
○こうした結果、立体化する車庫内の線路が現況の車庫の範囲に収まらず、一部が民有地に掛かる計画となる
○今回の連続立体交差化計画において、車庫の計画は本線の立体化の計画と一体不可分

Q6
・本区間の連続立体交差化にあたり、車庫のための新たな用地取得はやむを得ないものであることが確認できた。
・ただし、用地をお譲りいただく方々へは、丁寧な説明を尽くし、理解と協力を得るよう努めてほしい。
・そこで、地域の方々へ今後どのように説明していくのか伺う。

A6
○地域の方々に対して、平成31年2月に都市計画素案説明会、令和2年10月に都市計画案及び環境影響評価書案説明会を開催、都市計画図やスライド、パンフレット等を用いて説明
○説明会において、地域の方々のご質問やご意見を伺うとともに、説明会後も電話や窓口等において個別に対応
○引き続き、地元区市や鉄道事業者と連携して、用地測量等説明会や用地補償説明会、工事説明会等を開催し、地権者をはじめ地域の方々に対して、分かりやすい丁寧な説明に努めていく

Q7
・今回の連続立体交差化が様々な条件や基準のもとに合理的に検討され、抜本的かつ早期の踏切の解消のために必要であることは、これまでの答弁から確認できた。
・また、着実に事業を進めるためには、是非とも、引き続き、地域の方々に対してきめ細やかな対応をお願いする。
・私の地元、練馬区の上石神井駅周辺では、今回の連続立体交差化による踏切問題の解消により、長年の悲願である駅周辺の基盤整備が大きく前進し、まちづくりも大きく進展すると、地域の方々は大きな期待を寄せている。
・そこで、連続立体交差化の今後のスケジュールについて伺う。

A7
○連続立体交差化計画については、来月に開催される都市計画審議会の議を経て、年内の都市計画決定を予定
○令和4年度から5年度に事業認可を取得し、事業に着手する予定
○事業期間は、事業認可取得後約15年を見込んでいる
○引き続き、地元区市や鉄道事業者と連携し、鉄道立体化を着実に進めていく

・繰り返しになるが、本事業に対する地域の方々の期待は非常に大きいものがある。
・これからも、地域の方々への丁寧な説明に努めつつ、1日も早い踏切解消に向け、全力で取り組んでもらいたい。


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